理事長挨拶

 近年、デュアルエナジーCT、フォトンカウンティングCTやマルチポジションCTといった新しいCT技術や、人工知能を活用した画像解析および撮影技術が急速に進展しています。また、X線も動態撮影や位相コントラスト撮影え新しい技術が登場してきています。これらの技術を臨床現場へ導入することで、診断の質、精度、効率がどのように向上するのか、大きな関心が寄せられています。
 しかし、国内にはX線やCTの撮影技術を検討する放射線技師が主な対象の学会は存在するものの、臨床活用に特化した包括的な学術団体はこれまで存在しませんでした。
 こうした背景を踏まえ、このたび Society for Advanced Medical Imaging(SAMI)の分科会として、CTの臨床的有用性の検証や総説執筆などのプロジェクトを通じて分野の発展に寄与してきた「最先端CT研究会」と、50年以上にわたりCT・超音波・MRI・核医学を含む断層映像の教育と研究を担ってきた「断層映像研究会」を母体とし、「一般社団法人日本X線CT医学会」(英語名称:Japanese Society of X-ray Computed Tomography in Medcine(JSCTM)を設立することになりました。
 本学会は、X線・CT技術の基礎研究から臨床応用に至るまで、幅広い領域を対象とします。教育・研究・臨床を融合させた新たな学術基盤を構築し、国内外の専門家との交流と協働を促進することで、X線・CT技術がもたらす医学的価値を最大限に引き出すことを目指します。そして、X線・CT技術のさらなる発展と、将来的な技術革新に貢献できることを願っております。

理事長:陣崎 雅弘(慶應義塾大学医学部 放射線科学教室(診断))

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